ストレスに対峙する「マインド・プロテクション」


(バグが出たので)対応した。と、報告がされても、原因が何で、影響がどうで、なので対応はこうである、という報告がない。だから、対応が正しいか判断できない。


先の行に書いてある主旨のメールを、朝出社して読んだとき、あなたはどのように感じるでしょうか? 書いてあるのはもっともだ。ビジネスの基本だ。バグを出すのが悪い。報告の仕方が悪い。。。色々ありますよね。でも本日の事件は、そんなに簡単な問題ではありませんでした。

現実の、出された側である後輩の反応は、次のように深刻なものでした。
「(相手側の担当者である)彼Aには、私が何を言っても信用されていないのです。もう我慢できません。(胸の)動機が収まらない。もう帰っても良いですか?!診療を受けたい。診断書をもらったら、明日から休めますよね!」
手順とか方法とかの、論理的な問題ではありません。自分の行動がそもそも信用されていない、自分は認められていない、というのです。
「彼Aがどのような意図でこのメールを出しているのか、理解できない。私には彼A自身の保身の為にしか思えない。物事を頼むときは、自分の都合の良いようにしておいて、問題が見つかると重箱の隅を突付く。この様な目にあってまで、自分が耐えるいわれは無い。(最近考えることがあって)この職種には向いていないし、(最近考えることがあって)この業界に居る気が無いのだから、さっさと辞めてやる。」

この様な事態に、一朝一夕でなったのではありません。大体1年間位の期間をかけて、少しづつ蓄積していった感情です。その間、私達は対処してきました、対処してきたつもりです。途中、改善する局面もありました。ビジネス的な、論理的な対処の仕方は後輩も心得ています。しかしついに、状況は一線を超えてしまった。彼の目付きは尋常ではない。ストレスに対しての許容範囲を超えてしまったようです。

私が後輩にアドバイスできたことは、ストレスに対処する方法でした。後輩は物事に対してストレート過ぎるきらいがあります。甲か乙か。是か非か。あなたには物事に対してその様な傾向がある私は見ている、と本人に説明しました。そしてこのままでは、今後他の職場へ行ってもストレスに対処できす苦しむ。あなたには中小企業診断士の夢がある。でも、先生になっても、先生になれば余計に、理不尽なストレスに直面するでしょう。あなたは今、ストレスに対処する術を身に付けなければならない。直ぐに辞める、というのは考え直して欲しい。私と、もう一人のあなたの後輩の為に。
そして「マインド・プロテクション」という単語で、ストレスの対処方法を説明しました。内容を簡単にいうと、ストレスを受けた時に「『ストレス』を認知した後に、自分自身の感情を凍結する」ということです。単語としてこれが正しいかどうかは、ちょっと自信がありません、臨床心理士ではないし。後で調べてみましょう。

また行動としては、客先の彼Aの上司に状況を説明し、彼Aからの指示が直接後輩に行かない様に協力して欲しい旨を、申し入れしました。今後、全ての状況、報告事項と依頼事項は私を経由します。これも本当は正しい対処ではない、と思います。でも今は、後輩と彼Aを近づけさせるのは賢明ではないと判断しました。

「マインド・プロテクション」という方法は、後輩は気に入ったようです。説明不足だろうか私自身が実践している方法とはちょっと違うかな、とちょっと感じますが、何とか仕事をきちんと続けています。このまま無事に、契約終了をむかえて欲しい。ストレスから逃げず、ストレスときちんと対峙した経験を、次に役立てて欲しい。そう思いました。