時間がもったいない、から。

[A]この業界の、何かの勉強をしてる?
[B]いえ何もしていません。
[A]スキルアップとか、レベルアップとか考えないの?本屋にいって、コンピュータ系の雑誌を買うとか。書籍ではないよ。本は読むのが大変だし。スキルアップすると、費用は掛かるが、それは相応の単価に変わる。そうは思わない?
[B]いえ、それに時間を賭けるのが嫌です。いまは、自分のやりたいことがしたいです。だからそれ以外のことに、自分の時間を削るのはもったいないのです。
[A]スキルが無いから、言われた事しかできない。それじゃ仕事、面白くないでしょ?
[B]正直、仕事、面白くないです。
[A]それじゃ、辞めたら?
[B]いえ、今、辞められません。自分には、辞める勇気は有りません。
[A]つまり、アパート代をそこそこ稼いで、自分のやりたいことはやるが、仕事に関するスキルアップとかは考えない、ってことだよね。
[B]そうです。

このような方に、責任ある仕事は与えられないよね。っていうか、クリエイティブな仕事は、与えられないよ。仕事を待っているんだもの。作業をさせるには、1から10まで、キッチりこちらが指示をする。「仕事」だからね。「冷めている」とは違う。言われたことだけは、そつな〜くこなして、あとは趣味を熱くやる。

彼は23歳。テレビのドキュメンタリー番組やニュース番組を観て、頭では知識としてあったが、実際に上記のような考え方をしている人に初めてぶつかった。実際当たると、温度差に心がイラつく。同じ仕事をしていても、彼には「嫌な仕事」こっちは「面倒だけど面白そう」。共感が無んだ。現在の職場は、ハイ・コンテクスト(CONTEXT)&ロー・コンテント(CONTENT)な職場で、共感は重要だ。最近は、マニュアル化/文書化を推めてコンテントに力を入れているが、それでも行間を読まねばならず、対応はマニュアル通りにいかない場合も多い。共感が不要な職場は無いかもしれないが、重要度が低い職場ならばあるかもしれない。そんの職場なら、お互い共存して、うまくやっていく事ができるだろう。いまの職場では、日々、彼は静かにしている。