ベイジン (上)(下)

世界最大の紅陽核電の原発がステーション・ブラックアウト。福島原発事故の情況を思わずにはいられない。

ベイジン(上)
出版社: 幻冬舎 (2010/04) (幻冬舎文庫)
真山 仁 (著)
ASIN: 4344414683
ISBN-10: 9784344414686
ISBN-13: 978-4344414686


ベイジン(下)
出版社: 幻冬舎 (2010/04) (幻冬舎文庫)
真山 仁 (著)
ISBN-10: 4344414691
ISBN-13: 978-4344414693



第七章ブラックアウトでは、登卩(※)の変化に心を動かされる。第六章までは田嶋だが、第七章では登卩にどんどん引き込まれる。そこに、3.11の情景が重なってしまい涙が浮かんでくる。この小説の終わりは文字では書かれていない。だが小説と違って現実の3.11で、田嶋伸悟と登卩学耕が追い求めた「希望」は潰えたと思う。極東日本は2発の原爆といい今回の福島原発事故といい「核」には因縁があるようだ。でもいつか「安全な原発」を日本が謳うとき、そのときは「日本の奇跡」と呼ばれるかもしれない。



北京五輪の年は、仕事が無くなりしかも原因が自らの失策だったこともあって、前を向くことが出来ないで今もいる。「心急吃不了熱豆腐」というが、saulは矮小な人間なのである。




(※)環境依存文字で、うまく表示させられないorz