トップレベルの技術者以外は要らないという現実

「日本の頭脳はどこへ行く」という副題のNHKの「追跡!AtoZ」という番組を観た。白物家電の技術者には中国に需要がある・・・みたいな感じから始まったが・・・


中国の人材紹介会社社長への取材のシーンをメモる

大学院卒・特定分野で20年、採用(Sランク)
大学卒・特定分野で20年、ほぼ採用(A+ランク)
大学卒・特定分野で10年、10人中3人採用(Aランク)
大学卒、不採用(Bランク)


「XXXを三年、○○○を三年、これはいらない」って。これまでの日本企業での感覚なら、特定分野で20年もいたら「採算が合わない」より「他に使えない」のほうが強いかも。何年か前には専門的な者より総合的な者のほうを重要視した時期もあったし。しかし同じ事をずっとしていた者を、いま中国は欲している。らしい。なんと皮肉な話だろう。
面接と思って中国へ出掛けたら、レポートを提出せよだって。レポートを出せばその人がもつノウハウは、人物を採用しなくても、わかる。レポートを読んで、それが既に知られていることや既に自社で実行していることなら、採用されないだろう。目を見張る案なら、採用しなくても、もう手に入れている。採用されたい気持ちに付込む策か。採用されれば日本企業で培ったノウハウが渡るので結局一は同じと彼はいうが、ちょっと悲しく思った。彼がその企業に採用されたとは、番組内ではわからなかった。



この放送の前の「灼熱アジア」という番組と続けてみたのだが(第3回の今日はインドネシアだった)、中国よりタイのほうがSランク以外は可能性と魅力があるかも、と思った。(第1回がタイだった)



でも情報系最下層に生息するわたしには、希望がある分うらやましい話。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)にゆれる農業とは違った意味で(?)、情報系にいる私の将来は暗黒だから。