魂の錬度

8月16日、月曜日。私は休み無く出勤だが、通勤電車はいくぶん空いていた。乗客も、出勤前の人たちばかりでなくて、いつもとは違う雰囲気の方々も乗車していた。


普段乗ることの多い足の速い電車に乗った。珍しいことに立っている私の前の席が空き、途中から座ることができた。更に、次の駅でも自分の右側が空き、男性が座った。

さて、この親父。座った席の空き間隔より自分自身の体格のほうが大きいので、窮屈で仕方ない。足をガッと開きたいが狭いので隣の私の足にあたってしまう。お互いの体温もあるし、あたることが気分が悪いらしくすぐ引く。でもこの繰り返し。新聞を半分に折って読みたいが、肩幅が狭いので隣の私の肩にあたってしまう。ブツブツいって肩をずらすが、またグリグリ当てにきて幅を取ろうとする。でもこの繰り返し。

その席が狭いだろうというのは予測していた。座席の端のその席は前は「普通の体格の女子校生」が座っていた。私が乗ったときは以下順に「小柄な女性」「体格のよい大柄な男性」と座っていた。「体格のよい大柄な男性」が足を開いて寝ているので余計に詰められている状態だった。私は「小柄の女性」が立った後に座ったのだが、右左ギリギリだった。なので隣の席は男性には狭いだろうな、と予測していたのだ。


正直最初は腹が立つより「来たきた」って感じ。そして怒るより、あきれてしまった。

乗り換え駅の終点まで一緒。彼は停車する前に席を立ちドアの前に行ってしまったので後姿だけの確認だが、横幅は自分より大きい。年は行っているが勤め人らしい風体なので、定年前60才前だろうか。

健康そうにも見えた。これまで多少トラブルがあったとしても、おおむね順風満帆の人生だったのではないだろうか。それなのに、あんな態度をとるか。席が狭いなんて、座る前に判るだろうに。


きっと魂の錬度が低いのだ。来世も「人間」だな、きっと、かわいそうに。





帰りの地下鉄。乗り換えて次の駅で大抵座れる。今日も座れた。一番端ではなく2番目。その次の駅で、隣の座席の一番端が空いた。すると、「丸い」男性がササッと歩いてきて座ろうとしている。文字通り「丸い」。メタボ腹で丸い。人間の体格を楕円かんがえると、この人は長軸と短軸が同じくらいなのだ。「あぁ、朝と同じにギュウギュウか・・・」と思った。

しかし!!!

この方、座席に大きい体を限りなく小さくするようにして座っているので、ぜんぜんギュウギュウにならない!!!
正直ビックり!



でも眠ったら(緩んで)ギュウギュウだな…と思ったら、この人眠っても同じだった。


関心してしまった。いつもこんな風に周りに気を使っているのだろうか

朝のダメ親父とは大違い!この方、相当に魂の錬度が高いとみた。




と、他人の魂の錬度について考えた日だった。